10月6日(木)、濃飛バス神岡営業所にて、飛騨市、濃飛乗合自動車株式会社(以下、濃飛バス)、コープぎふの3者による「飛騨市買い物支援に関する連携協定における、公共交通を活用した貨客混載事業 出発式」が行われました。
左から濃飛バス 水野社長、飛騨市 都竹市長、大坪理事長、山之村振興協議会 小萱会長
飛騨市神岡町山之村地区は標高約1,000m、神岡町市街地から約50分ほど山間道路を走行したほどの場所にあります。地区内にスーパーは無く、これまでは民間事業者による移動販売車が買い物手段の中心となってくらしを支えていました。しかし、昨年春に移動販売の継続が困難となり、住民の方々の買い物支援が課題となっていました。
山之村地区では約20世帯がコープぎふの組合員としてJSSを利用されています(JSS:コープぎふと配送委託契約をした地域の方(以下、サポーター)が、拠点まで運ばれた商品を受け取り、組合員までお届けする仕組み)。サポーターさんには毎週神岡町まで商品を取りに来ていただき、再び山之村地区へ戻って組合員さんへ商品を届けていただいていましたが、移動距離や積雪時の配達など負担が大きく、今後の継続性に不安がありました。
そこで飛騨市、濃飛バス、コープぎふの3者が連携し、公共交通を活用した貨客混載事業が始まりました。貨客混載とは乗客と荷物の輸送・運行を一緒に行う取り組みです。神岡町と山之村間を運行する市営バスにコープぎふの商品を積み込み、山之村にある停留所まで運ぶことでサポーターさんの負担を軽減し、継続的な買い物支援をすすめます。
↑市営バスへの商品積み込みの様子。座席の最後列を積み込み用スペースとして活用しています。この日は15世帯分の商品を載せました。
出発式では都竹市長より「山之村地区の買い物支援における課題を大きく解決する手段として貨客混載の取り組みを始めることができた。濃飛バス、コープぎふとこれまで積み上げてきた連携の蓄積があって実現に至った。人口減少・少子高齢化における課題を公民連携で解決していく一つのモデルとしていきたい」とご挨拶いただきました。
大坪理事長からは「3者連携ですすめられることを嬉しく思う。日本全体で人口減少・少子高齢化がすすむなかで、この取り組みは未来を見据えた第1歩だと考える。これからも地域住民・地域産業へのお役立ちを一緒にすすめていきたい」と挨拶しました。
濃飛バス 水野社長からは「貨客混載は二酸化炭素の排出削減、住み続けられる地域づくりなどSDGsの推進にもつながる。お客様と商品を安全に運び地域振興の飛躍を担っていきたい」、小萱会長からは「地域住民、そしてサポーターも喜んでいる。高齢者等の買い物弱者対策のひとつとして定着することを祈っている」とご挨拶いただきました。
出発式終了後、バスは山之村地区へ向かい、停留所で待つサポーターさんに商品を引き渡しました。
生協の商品を貨客混載で配達する取り組みは東海地方で初めてとなります。コープぎふはこれからも、行政、他団体とのつながり、連携を大切に、誰もが安心してくらし続けられる地域社会づくりに積極的に参加します。