「上手な家計のやりくりとは」をメインテーマにして、岐阜大学教授の大藪千穂先生にお話いただきました。年代としては、ほぼ子育てが終わる世代の方が多く、全世代を通じての話ではなく、これから高齢期を迎える世代へのお話を中心にしていただきました。
ライフサイクルの変化を見ると、1920年代(大正9年)の男性の平均寿命は61歳、1961年代(昭和36年)は72歳、2013年代(平成25年)では84歳となっている。また、2013年代の結婚は、女性で29歳となっており、婚期が遅くなっており、その事から不妊治療を受ける人の数は増えているという実態もある。1920年代と比較すると、初婚年齢と出産年齢が高くなり定年後の老後の期間が増えている。単純に寿命が20年伸びており、その分お金も比例して必要であり、逆にいつまで働くのかを考える事も必要である。
2015年国税調査によると、65歳以上の人口は3,342万人(26.7%)、世界で最も高い水準となっています。1人暮らし高齢者世帯は562万6千人です。高齢男性の8人に1人、高齢女性の5人に1人が一人暮らし高齢者となっています。そのなかで、日常生活に制限される(病気など)期間は、男性で9.02年、女性で12.4年とのデータもあります。老後の生活では、単身となったり、寂しい人が増える傾向にある。お金や健康問題と共に、如何に精神の安定を図るかも大切です。
総務省家計調査によると、単月の高齢者単身者世帯では、年金等も含め収入は120,093円、不足分が36,311円。寿命が長くなり、その分のお金は必要です。その実態を知る事、収入を得る(一生働く)、支出を抑える、貯蓄と個人年金等に加入しておく、お金の運用は自分自身であり、業者などの情報を鵜呑みにしないことが必要になってきます。いずれにしても、健康でいること、子育てが終了したら、孫にお金をつぎ込むより貯蓄をして老後に備える事が大切であることをおしえていただきました
《参加者の感想から》
・あっという間の2時間でした。とっても生活に密着して、解かりやすい説明でした。子育ても終わり、老後に向けて考えてはいたのですが、実際グラフや数値で確認でき、平均寿命が高くなる中、「心と体」が健康であることの大切さをあらためて感じました。
・先生の楽しいお話しで、あっという間に時間が過ぎました。内容が、お金に関してなので暗くなりがちですが、先生のトークは、笑いありで良いですネ。今は教育費にお金がかかるので、それはあきらめています。子供達が巣立った後、老人2人をかかえての家計を考えてみます。お金足りるかなぁ~と心配ですが…
・あらためて老後の家計を考えるきっかけになりました。大藪先生の楽しいしゃべりで、2時間あっという間でした。会場のみなさんのくらしのようすもチラチラ聞けて参考になりました。見直すきっかけが、多くあり、忘れないようにしなくては。
・すごくわかりやすいお話で、とても参考になりました。具体的な例を出しながら楽しく講義していただけて良かったです。