コープぎふで人気の「美濃せいきょう牛乳」は、岐阜県内30戸の指定酪農家が「組合員に美味しい牛乳を届けたい」との想いで生産されています。しかし、昨今は乳牛の餌代や牛舎の管理費などあらゆる生産コストが高騰し、生産者を取り巻く環境が厳しくなっています。そこで、酪農情勢の現状や生産者の努力、苦労を知り、生産者を応援する取り組みとして、恵那中津支所エリア委員4名と職員が「にしお牧場(中津川市)」を訪問しました。
11月9日(水)、にしお牧場訪問の様子
にしお牧場では乳牛35頭、黒毛和牛25頭を飼育しています。朝夕2回搾乳し、1日に約750~800kgの生乳を生産しています。にしお牧場の西尾直樹さんは「牛が食べたエサの質がそのまま牛乳の味に出る。だから飼料には特にこだわっている」と話されます。
現在、日本の酪農家のほとんどが輸入飼料に頼っていますが、世界的な穀物需要の増加に加え、輸送費の上昇、ウクライナ情勢の悪化等により飼料価格が暴騰しています。この暴騰を受け、にしお牧場では餌代が昨年の2~3倍に上っているそうです。そのような厳しい環境下でも、餌の質を下げず美味しい生乳を生産し続けるため、4.5ヘクタールの畑で飼料を栽培(自給飼料)していますが、それでも飼料全体の1~2割しか賄えていないと、苦しい胸の内をお話しくださいました。
西尾さんの案内のもと、組合員さんも一頭一頭の顔を見て声をかけながら牛舎をまわりました。「牛舎の中がすごく綺麗!」「この子達からせいきょう牛乳ができているんだ~」など、自分のくらしとのつながりを肌で感じながら触れあいました。また、にしお牧場では、朝に搾乳した生乳をその日のうちに地元の乳業メーカーである美濃酪連へ届けていることも教えていただきました。産地と工場が近いことで新鮮な牛乳ができあがるというお話に、「だから美味しいんだ~!」と組合員さんも納得のご様子でした。
↑頭にハート型の模様がある牛を発見!「きっと幸せを呼ぶ牛だね♡」と大盛り上がり♪
交流会の最後に西尾さんから、「組合員さんからの『がんばってね』」の言葉が何より嬉しい。岐阜県でつくった牛乳を岐阜県の人に飲んでほしい。そして地元の酪農家を応援する気持ちで利用してもらえたら嬉しいです」とメッセージをいただきました。様々なお話をお聞きし、酪農情勢の厳しい現状や、生産者の努力、想いを知る貴重な時間となりました。
にしお牧場の西尾百合子さんと、直樹さん
翌11月10日(木)には、地元の生産者との交流を目的に「GLAMAいきいきネットワーク東濃ブロック研修会」にも参加しました。こちらの研修会にはせいきょう牛乳の生産者や美濃酪連、県内の畜産農家が参加しており、農業・畜産経営の現状や飼料高騰による影響と対策などを講演いただきました。
せいきょう牛乳生産者と、美濃酪連 今井さんによる講演
飛騨牛や岐阜県産牛乳を使った料理交流を通して生産者と交流を深めました。
コープぎふでは11月2週より、せいきょう牛乳をはじめ乳製品の値上げをおこないましたが、値上げにより利用が減ってしまうと、大切に育てた生乳を廃棄せざるを得なくなってしまいます。酪農情勢を知り、商品を継続して利用し続けることが岐阜県の生産者を守り支えることにつながります。これからも「美濃せいきょう牛乳」をはじめ岐阜県産商品のご利用をよろしくお願いいたします。
<にしお牧場での交流会に参加した組合員さんの感想>
生産者の皆さんのご苦労の上で成り立っているということがよく分かりました。こんなにも餌代が値上がりしていたら、商品自体の値上げも当たり前なのだと痛切に感じました。生き物を飼うことは本当に大変なことですが、若い方が後継者になって続けてくださっているので私も応援したいと思いました。